≪映画感想≫「春画先生」と「春の画」

 

投稿者:イシスケさん

 

いよいよ今月に「日本人論」が発売されますね。

 

少し前に「春画先生」と「春の画」という映画を観に行ったのですが、「日本人論」の内容とも重なるところがあって面白かったのでご紹介できたらと思い投稿しました。(劇場上映は終わってしまっているので、配信やレンタル等ありましたら是非)

 

「春画先生」の方は、内野聖陽主演のコミカルな映画です。

楽しみながら春画がどういうものか理解できて、また性に対して大らかな日本人の感性は現代まで地続きであるということが自然に描かれていました。

https://happinet-phantom.com/shunga-movie/#

 

 

 

「春の画」の方は、ドキュメンタリー映画です。

復刻春画の作製過程が描かれていたり、研究者や芸術家、コレクターが春画について語っていたりします。https://www.culture-pub.jp/harunoe/

 

 

二作品観て一番の驚きだったのは、春画は「笑い絵」ともいわれて男性だけではなく女性も楽しんでいたということです。

 

現代の日本人である自分が見てもなかなかに笑えるものもありました。

 

しかし、そんな春画も明治以降、西洋的価値観の流入によって衰退していき、葛飾北斎など著名な絵師も多数の春画を描いていましたが、それらの作品は忘れられた存在となりました。

 

春画が衰退した原因はまさに今、吹き荒れているキャンセルカルチャーと同じだと感じました。

 

むしろ春画がキャンセルカルチャーの最初の餌食だったのかも知れません。

 

庶民まで浸透していた文化が西洋的価値観からみると恥ずかしいものとされ、自ら捨て去っていく・・・。もったいないです。

 

春画は男も女も大らかに自由に性を楽しんでいる姿を描いているので、現代的な価値観とマッチしてヨーロッパでは再評価されているようです。

 

劣った文化だと切り捨てたものが一周回って再び陽の目をみているのです。

 

やすやすと自国の文化を欧米の価値観に迎合して失くしてしまうのは、日本のみならず世界にとっても損失なのではないかと思いました。

 

まさに「サブカルしか勝たん!」日本の文化は世界に元気を与えるんだ!!という意気込みで守っていく必要があるのかなと思いました。


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コメント: 9
  • #9

    グッビオのオオカミ (月曜日, 04 3月 2024 20:16)

    春画先生、まだやってるのかな?こうして取り上げられると、観に行きたくなります。
    マンガや社会通念にもこうした独自の"ルーツ"があるものですね。
    それは江戸時代の少年愛を現代人が今さらしないが、漫画パタリロを抵抗無く読める様に"感覚"として残るものだと思います。
    "切腹"なんかもそうでしょうね。
    現代人が今さらやらない、けれど"感覚"は分かる、という。

  • #8

    枯れ尾花 (月曜日, 04 3月 2024 10:11)

    「蛸と海女」なんてめっちゃエロいからねぇ♪
    …確か実写化された映像があったと思うが…

  • #7

    トキ (月曜日, 04 3月 2024 10:04)

    以前、俳優さんが中谷美紀さんに春画集をもらったとドラマか映画の会見で聞いてから中谷美紀さんのこと好きです笑

  • #6

    さらうどん (月曜日, 04 3月 2024 00:33)

    私は時代劇が好きで、特に初期の必殺シリーズが大好きですが、
    その物語の中で「春画」がよく扱われていました。
    自分自身は「春画」という文化への造形は全然深くないんですが、
    時代劇を見ていて「なるほど。江戸時代のエロ本なんだな」と認識したのが最初でした。
    葛飾北斎は江戸時代の人にしては長生きされて、老年になっても創作意欲が旺盛で、
    いわゆる「ペンネーム」を何度も変えていたんですよね。
    老年になった北斎が名乗っていた「画狂老人卍」という画号がインパクト強烈でよく覚えております。
    もう一つの春画を描く時の画号も強烈だったんですが、それはここでは敢えて伏せておきます(苦笑)。
    芸術とエロスは表裏一体ですよね。
    そう言えば旧twitter(現・X)で「暴言・暴力・エロ・グロがない作品が真の名作」とか言ってた某著名人がいましたが、読んでてコーヒー吹き出しそうになりました。どこのユートピアで生きてるんですか?とw

  • #5

    リカオン (月曜日, 04 3月 2024 00:16)

    春画がフランスなどでも展覧会をしているとか聞き、なぜだか分かりませんでしたが、女性も楽しんでいた面もあった事を知り、自分は歴史無知の日本人だったという事が分かりました。

  • #4

    イシスケ (日曜日, 03 3月 2024 23:56)

    カレーさん、お忙しい中、採用していただいて有り難うございました。
    なかなか面白い映画だと思ったのですが、観た時は投稿するという発想がなかったので、時期が遅くなってしまいました。
    機会があればまた投稿させていただきます。

    ちなみに映画館の横で「小さな春画展」というのも開催されていて実物の春画も観たのですが、エロくはありましたけどそんなにイヤらしい感じはしませんでしたよ。
    「日本人論」の中に出てきた蔭間茶屋を思わせる春画もありましたし、女性同士の春画もあって、日本の性は自由というか奔放というかホントに何でもありだなーと思いましたね。

  • #3

    牛乳寒天 (日曜日, 03 3月 2024 22:40)

    春画が最初のキャンセルカルチャーの餌食という考察、とても鋭いです。露骨すぎる表現なので、気恥ずかしくガン見しずらいですが、そんな自分も日本古来の感覚を失っている気がしました。大らかな日本の性感覚取り戻したら、精神的にもっと自由に楽しくなれそうですね。映画観たくなりました。

  • #2

    ねこ派 (日曜日, 03 3月 2024 21:32)

    今年の秋、京都・細見美術館で、春画の展覧会が開催されます。

    【2024年9月開幕】
    30「美しい春画」(仮)(京都・細見美術館)9月7日~11月24日
    https://artexhibition.jp/topics/news/20231228-AEJ1778824/#anker29

    ご紹介して下さった映画を鑑賞すると共に、上記の展覧会にも、足を運ばれては如何でしょう。

  • #1

    madoka (日曜日, 03 3月 2024 21:05)

    面白そう!!!
    観てみます♫
    内野さん好きだし、安達祐実も出てるし♫
    歌麿の浮世絵が好きで、高校生の頃買った画集にキチンと「春画」のカテゴリーもあって、昔の人ってめっちゃリアルに描くなーー!とドキドキしながら眺めてました(笑)
    思い返すと、交わっている男女の横で普通に赤ちゃんが遊んでる様子が描かれていたり、江戸の性は本当におおらかだったのだと思います。
    そういう性教育の方が、むしろ健全なのかも^_^